- クロミッドは服用に工夫が必要です。飲む期間や休み期間は?
- 基本的にクロミッドは1周期5日間服用します
- いつまで服用できるの?クロミッドの服用期間
- 何周期で妊娠できる?クロミッドを服用した時の妊娠率は?
- クロミッドは周期を重ねるごとに効果が薄れることがあります
- 副作用を避けるために。何周期まで連続して服用できる?
- 夜でも朝でもOK!ただし時間はきっちり守りましょう。クロミッドの服用時間
- クロミッドを中止しないといけない副作用は?やめたらどうなるの?
クロミッドは服用に工夫が必要です。飲む期間や休み期間は?
クロミッドは卵胞を育てる力は増やしますが、妊娠する力そのものは下げてしまう副作用があります。
子宮内膜を作る力が落ち、精子の通り道になる子宮頸管粘液の量を減らしてしまう副作用があるからです。
これらの症状は服薬を辞めれば徐々に回復しますが、まれになかなか戻らないことも…。
だからクロミッドの服用方法は慎重に進めないといけません。飲む期間は最大で連続6周期まで。そしてその後1~2周期はお休みをするのが一般的です。
病院によっては3周期ほどで見切りをつけて、次の治療法に移ることもあります。
最近は子宮内膜の形成に影響を与えにくい、レトロゾールという薬がクロミッドの代わりに使われることもあります。
レトロゾールは乳がん治療薬ですがクロミッドとは異なる方法で排卵を誘発する力があります。
しかし2018年現在はまだ正式に排卵誘発剤として認定されていません。 薬価も高いので積極的に使う病院は2018年現在まだ限られていますが、実績が上がると広まる可能性はあります。
基本的にクロミッドは1周期5日間服用します
日本のガイドラインではクロミッドは月経周期3~5日から5日間、1日1錠か2錠服用するのがルールです。この期間に規定量服用するなら保険治療が適用されます。
以前は3錠までは許可されていましたが、2012年の改訂で2錠に削減されました。 クロミッドは保険適用範囲内では回数制限があるので、追加で服用する場合は自費になります。
自費の場合は1錠120円ほどなので大きな出費にはなりませんが、この点はご留意下さい。
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国によって異なるガイドライン・・・どちらに合わせたらいいの?
ガイドラインは国ごとによって若干異なり、オーストラリアでは月経周期2日目から使用します。この場合はどちらに合わせれば良いのでしょうか。
治療のガイドラインはわりと大らかなところがあり、統計だけでなくその国の偉い先生の方針に左右されることもあるそうです。
海外で治療を受ける方は不安になるかもしれませんが、その国ではこのガイドラインで効果が上がっているはずです。
ガイドラインが定めた期間服用するほうが良いでしょう。
いつまで服用できるの?クロミッドの服用期間
クロミッドの連続服用期間は6周期までです。しかし、その間に服用する「量」はあまり問題になりません。
患者さんの体質や病院によっては「クロミッドの二段階投与(二段投与)」という治療を行うことがあります。
卵胞の育ち方が良くない方に行い、5日目以降も服用を続けることがあります。5日目から数日休んで服用を再会することもあれば、そのまま6日目以降も連続服用することもあります。
何か月でも使えれば良いのですが、クロミッドはいつまでも使える薬ではありません。その短期決戦の中でいかに排卵を促すかが勝負です。
何周期でクロミッドを辞めるかはその方の体質や病院の方針などで左右されますが、病院も限られた時間で確実な効果が上がるために薬の量や期間を調整します。
何周期で妊娠できる?クロミッドを服用した時の妊娠率は?
クロミッドを服用して排卵が復活したら、何回目で妊娠できるのでしょうか? 6周期目までの累計妊娠率はなんと60~75%の方が妊娠できます。
クロミッドは排卵できない女性だけでなく、排卵がきちんと出来ている女性にも服用します。排卵がある女性でも6%ほど妊娠率が上がるからです。 排卵ができてもできなくてもクロミッドの恩恵が受けられます。
しかし統計はあくまで統計、確率の高さや低さはあっても、それが自分に当てはまるとは限りません。確率だけで世の中が動いているなら「砂漠の中に紛れたアタリの砂粒を当てる」くらい確率が低い宝くじが売れるわけがありません。
最大75%の方が妊娠できるクロミッドの成績はきわめて優秀です。クロミッドは販売開始した1960年代から現在まで長期的に使われ、世界中で数えきれないほど多くの女性がクロミッドのおかげで排卵が復活し、母になっています。
しかし自分がその75%に入れる保証はないのです。 たとえ排卵が復活しても、卵管に問題があり排卵した卵子をうまく取り込めないかもしれません。
特異体質で男性の精子にも攻撃を加えてしまう免疫を持っているかもしれません。 遺伝子の関係で妊娠できないこともあります。
そして男性側が原因の不妊もあります。 排卵は妊娠の第一歩ですが、その先に何もトラブルがないとは限りません。そのため病院では3~6周期使っても効果がない場合は次の手段に移ります。
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クロミッドは周期を重ねるごとに効果が薄れることがあります
薬は飲み続けると効果が薄れていくことがあります。体が薬の刺激に慣れてしまい、前と同じ量では効果が出にくくなります。
実はクロミッドも使い続けていると排卵誘発作用が弱っていくことがあります。1周期や2回目は卵胞がすくすく育って妊娠に近づいたのに、3周期目、4周期目と続けるとだんだんと育ちにくくなることもあります。
対処法でクロミッドの量を増やしたり、他の治療薬と併せて使うこともありますが、全員に効果が出るとは限りません。
クロミッドはエストロゲンというホルモンのフリをして脳を騙す薬ですが、騙された脳から卵巣に「エストロゲンが足りない、もっと出せ」と指令を出しても、だんだんと卵巣が疲れてしまい、指令を無視することがあります。
私たちも母や上司からあれをしろ、これをしろとガミガミ言われ続けたらやる気がなくなります。卵巣も同じ状態になるのも致し方ないでしょう。
クロミッドの厄介なところは排卵誘発という効果は弱くなっても、子宮内膜が作りにくくなるなど副作用は健在なことが多いことです。
こうなるとメリットよりデメリットのほうが勝ってしまい、5周期目や6周期の治療に耐えられません。この場合はさっさとクロミッドに見切りを付けて次の治療法を試すべきでしょう。
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副作用を避けるために。何周期まで連続して服用できる?
このように、クロミッドの連続服用はリスクがあります。メリットよりリスクが上回った時点で連続服用できないと判断すべきでしょう。
不妊治療の専門病院なら病院側がメリットとデメリットのバランスが判断できると思いますが、一般的不妊治療しか行わない地方の産婦人科ではデメリットが目に見えて出ているのに何周期でも連続でクロミッド治療を続けられてしまうことがあるようです。
クロミッドは1961年からある薬で、当時は革命的な薬でした。
リスクを最小限に抑えて、飲み薬で自分が出すホルモンの力で排卵を促すという治療はクロミッドが登場するまで存在しませんでした。
年輩の医師はその時の印象が強すぎて、クロミッドに頼りすぎてしまうことも考えられます。 不妊治療は出来れば専門病院にかかるほうが良いですが、ある程度の都市でなければ難しいのが現状です。
素人では何周期まで連続して服用すべきか判断できないことも多いので、出来れば不妊専門の病院にかかるほうが安心です。
夜でも朝でもOK!ただし時間はきっちり守りましょう。クロミッドの服用時間
クロミッドの服用時間は夜の寝る前に指定されることが多いですが、夜でも朝でも同じ時間に服用すれば問題ないそうです。
寝る前に指定されるのは「毎日決まった時間に服用」しやすくするための工夫です。寝る前のリラックスした状態なら飲み忘れしにくいでしょう。
しかし夜なら卵胞が育ちやすいメリットを受けられるかもしれません。 脳から細胞が修復され分裂する成長ホルモンが放出されるのは、睡眠中です。
午前1時ごろにもっとも増えると言われ、その90分前までに眠るのが最適と言われています。
クロミッドは体内に留まる時間が長く、朝でも夜でもあまり変化はありませんが、夜に服用すれば成長ホルモンの良いサポートが受けられる可能性があります。
いずれにせよクロミッド服用中はできるだけ同じ時間にきちんと寝るようにしましょう。
いちばん良くないのは飲み忘れです。
飲み忘れないためにスマホのアラームを設定するなどして、うっかりミスを防ぎましょう。夫や家族に声をかけてもらうと、さらに安心ですね。
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クロミッドを中止しないといけない副作用は?やめたらどうなるの?
クロミッドを何周期まで服用しても、やめたら卵胞の育ち方は徐々に落ち、普段と同じくらいに戻ります。
しかしクロミッドを飲んだ次の周期くらいまでは排卵が続くことが多く、運が良ければそのまま排卵できる体質に変化することもあります。
ただちにクロミッドを中止しないといけない副作用は
・重度のOHSS(卵巣過剰刺激症候群)が起こる
・目のかすみ
の2つです。OHSSは命の危険すらある危険な副作用で、目のかすみは放置しておくと視力障害が残るからです。
どちらも発生頻度は低いですが、発生すると厄介なことになります。 もし1周期の途中でクロミッドを中止したら、その週はリセットします。
大きな副作用がなければ経過観察もあるかもしれませんが、周期の途中での服用中止の判断は重いものです。必ず病院ときちんと相談しましょう。
子宮内膜が薄くなってきたなど慢性的な原因があるときは、次の周期で服用を中止します。
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