- クロミッドを飲むと子宮内膜が薄くなる!その原因は?
- クロミッドは子宮内膜症を悪化するおそれがあります
- クロミッドに子宮内膜を薄くさせない!その対策はある?
- クロミッドを止めたら子宮内膜は徐々に回復します
クロミッドを飲むと子宮内膜が薄くなる!その原因は?
クロミッドを服用すると子宮内膜が薄くなることがあります。
もともと子宮内膜が10mm以上あったのにクロミッドを飲み始めたら1ケタ台まで落ちたという話はよく聞きます。
なぜクロミッドを服用した周期は子宮内膜が薄いのでしょうか。
エストロゲンは子宮内膜を厚くします
クロミッドは「抗エストロゲン製剤」という薬です。
エストロゲンの精製を一時的に抑えて、堰を切ったようにエストロゲンを生成させるように促す薬です。
ではエストロゲンとは何でしょうか。
別名「卵胞ホルモン」と呼ばれるエストロゲンは卵胞を育て、子宮内膜を厚くする作用があります。
はつらつと元気にする作用もあり「女子を綺麗にする」「美容ホルモン」などと言われることもあります。
エストロゲンは新生児のころは豊富に分泌されますが2歳ごろから第二次成長期までは形を潜めます。
再びエストロゲンが顔を出すのは第二次成長期からです。
卵巣が発達することでエストロゲンの分泌が進み、胸が大きくなりふっくらした体つきになります。
かわいい幼児から大人の女性に成長させる原因の一つがエストロゲンです。
卵胞を育てるだけじゃない。エストロゲンは働き者
エストロゲンの働きは卵巣の中にいる卵胞を育てるだけではありません。多種多様の作用を起こします。
・月経ではがれ落ちた子宮内膜を一から育てる
・卵胞に働きかけて卵子を育てる
・(思春期には)乳腺を発達させて胸を大きくする
・脂質の代謝を抑える(男性に比べて丸みのある体つきになるのはこのため)
・動脈硬化予防
・背を伸ばす作用と骨の成長線を固める作用(女子のほうが背が伸びるのが早いのに身長が男性より低いのはこのため)
・カルシウムを骨に付ける作用を促進する
・自律神経を安定させる
・お肌や髪に艶やハリを与える
など、様々な作用があります。
思春期になると太りやすくなるのも、閉経すると顔がシワシワになって動脈硬化や悪玉コレステロールが増えるのも、骨が弱って腰が曲がるのもすべてエストロゲンの作用です。
ただし適量は大切で、エストロゲンが多すぎると生理周期が乱れ婦人系のがんリスクが上がります。
エストロゲンは脂肪からも分泌されるので肥満体の女性は多すぎるエストロゲンに晒されやすくなります。
クロミッドの作用は子宮内膜を作る邪魔をする
クロミッドは「抗エストロゲン製剤」という種類の薬です。字のごとく「エストロゲンを抑える薬」です。
クロミッドはエストロゲンとして働けないのにエストロゲンのフリをする働きをします。
この作用で脳の視床下部を騙して一時的にエストロゲンが少ない状態に導きます。
後で視床下部がどんどんエストロゲンを生成するように促しますが、一時的でも体内のエストロゲン濃度が減ることは子宮内膜を作る上で邪魔になります。
本来なら14日かけて子宮内膜のベッドメイキングをするところが10日ほどの突貫工事でやらされているようなものです。
エストロゲンは人間みたいに「納期が短いから短期集中でやり遂げよう」なんて気を利かせてくれません。
エストロゲンが減った時間だけ子宮内膜の形成は妨げられると考えられます。
クロミッドを使っても子宮内膜が薄くならない、厚いままの人もいます。だれもが薄くなるわけではありませんが薄くなるケースも少なくありません。
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クロミッドの副作用【5つのパターン別まとめ】この症状は副作用?
クロミッドは子宮内膜症を悪化するおそれがあります
クロミッドは服用するときに気を付けないといけない体質の人がいます。
クロミッドの説明書には子宮筋腫がある方、子宮内膜症の方は悪化するおそれがあり注意して服用するように指示されています。
なぜ子宮内膜症の方に悪い影響を与えてしまうのでしょうか。
子宮内膜症とは子宮以外の場所に子宮内膜が発生する症状で、原因は分かっていません。
子宮以外の場所で月経を繰り返すので腹痛などを起こしやすくなります。
卵巣にできた子宮内膜は卵巣の中に経血を溜めてしまい、卵巣の中がチョコレート色のドロドロで満たされてしまいます。(卵巣チョコレート嚢症)
クロミッドの副作用で子宮内膜が作りにくくなるから子宮内膜症も軽くなるのでは?と考えられますが、結果的にエストロゲンの量が増えることを考えると子宮内膜症が悪化するおそれがあるのは不自然ではありません。
子宮内膜症の人はクロミッドを服用中のときはいつも以上に体調変化に注視し、異常があればすぐに病院に連絡しましょう。
クロミッドに子宮内膜を薄くさせない!その対策はある?
クロミッドを服用しても子宮内膜を厚くする方法はあるのでしょうか。
こればかりは個人差があるのでクロミッドを飲むと子宮内膜が育たない傾向が強い人では厳しいかもしれません。
しかしマイナス100をマイナス50くらいまでに食い止めることができる可能性はあります。
子宮内膜の形成に良いと言われている栄養素には
・葉酸
・アルギニン
などがあります。
栄養素なのでクロミッドとともに服用しても、一種類だけでなく合わせて使っても問題ありません。
葉酸は細胞分裂を促進します。なのに食品からの摂取は大変!
葉酸とはホウレンソウの葉から発見されたビタミンBの一種です。造血作用があり細胞分裂に欠かせない栄養素です。
「妊娠初期の妊婦さんは葉酸サプリを摂取する」ことを厚生労働省が指導していますが、これは赤ちゃんを育てるため。
特に妊娠初期は赤ちゃんの細胞分裂が盛んで、それを支えるためにも葉酸は欠かせません。
しかし葉酸は摂取が難しい栄養素です。
イチゴの季節ならイチゴ数粒食べれば1日ぶんの葉酸を摂取できますが、旬の季節以外は非常に高く結構な出費になります。
葉酸は水溶性ビタミンなので茹でたり加熱するだけで壊れてしまいます。
レバーにも豊富に含まれますがビタミンAという栄養素が多すぎてたくさん食べると問題を起こします。
青菜やブロッコリーにも豊富に含まれますが茹でたり加熱するだけで葉酸が半減してしまいます。
イチゴ以外の食品から効率よく摂取するのが難しいビタミンと言われています。
葉酸は無理せずサプリで摂取したほうが無難です。ちなみに葉酸はビタミンB12という相棒がいます。
ビタミンB12は葉酸をサポートして葉酸の疲れを回復させる作用があります。葉酸とともにビタミンB12の摂取も欠かさず行いましょう。
妊活用の葉酸サプリならビタミンB12も添加されています。
アルギニンは血流を大幅に改善する
子宮内膜が薄くなる原因の一つに血流不足があります。
何らかの事情で子宮に流れる血流が少ないと運ばれる酸素や栄養も減り、子宮内膜がなかなか作れなくなります。
体内のエストロゲンが減ったわけでもないのにクロミッドを服用しなくても子宮内膜が薄いのは血の流れが悪いのも原因です。
アルギニンはタンパク質の元になるアミノ酸の一種です。
ある程度は体内でも作れますが外から摂取することもできます。血中に一酸化窒素を増やし、血管を広げる作用があります。
このおかげで血流が改善して子宮に流れる血流が増え、子宮内膜を厚くします。
アルギニンのサプリを毎日摂取することで子宮内膜の厚さが改善し、数ミリから5ミリ以上増えることもあります。
ただしアルギニンはアルカリ性が強いアミノ酸で、そのまま飲むと胃腸を荒らします。
サプリメントのカプセルから中身を取り出してクエン酸と混ぜて中和してからお湯に溶かして飲むと安心して飲めます。
アルギニンの摂取は1日4gほど必要と言われています。国産サプリは高額なのでアメリカの安価なサプリを個人輸入すればコストが抑えられます。
アメリカはサプリ大国で安く効率の良いサプリが無数にあります。日本の代理店が輸入代行しているので通販と同じように気軽に購入できます。
クロミッドを止めたら子宮内膜は徐々に回復します
クロミッドの服用を止めれば徐々に子宮内膜の厚さは戻ります。
クロミッドの服用中は子宮内膜がちゃんと回復するのか不安になると思いますが、短期間の服用ならまず問題ありません。
長期間服用した人の中にはなかなか戻らないと訴える人もいますが、もしかするとストレスで血流が妨げられて冷えが進み、子宮内膜が育ちにくい体質になっている可能性もあります。
エストロゲンが放出されている限り子宮内膜は血を増やす、血流を増やす、冷えを解消する、適度な運動とバランスの取れた食生活で回復することができます。
そしてクロミッドも次の月経ごろまでには完全に抜けて作用しなくなります。
あまり不安になると血流が悪くなるので「すぐに回復するさ」と前向きに考えて子宮内膜を増やす努力をしましょう。
ご紹介した葉酸なども子宮内膜回復の効果が期待できます。ぜひクロミッドを止めた後も実践してみましょう。
何より血流改善には適度な運動が一番。ジム通いなどしなくても速足で歩く、階段を上がるだけでも良い運動になります。
身体を動かす習慣を身に付けましょう。