- クロミッドの着床率は自然妊娠率とほぼ同じと言われています
- クロミッドで確実な排卵を促し、妊娠を成功させる!
- クロミッドを使っても妊娠率は20代、30代、40代と年齢によって変わります
- クロミッドは一里塚。3回~6回ほどで次のステップに進みます
- 多嚢胞性卵巣の方はクロミッドでも妊娠率は少し下がります
- クロミッドでは妊娠奇形を起こす作用はありません。その理由は?
- よく聞く「着床出血」はクロミッドを使っても起こるの?
クロミッドの着床率は自然妊娠率とほぼ同じと言われています
クロミッドで無事に排卵が復活したら、気になるのは着床率でしょう。 クロミッドの着床率は何パーセントくらいなのでしょうか。
もしクロミッドで排卵が復活した場合、クロミッドの妊娠率はおおよそ20%ほどです。
年齢や子宮内膜の厚さ、子宮頸管粘液の量など様々な要因があるので誰でも20%というわけではありませんのでご注意下さい。
残念ながら着床しても全員がうまく育つとは限りません。そのため着床率はもっと高いと推測できます。
クロミッドを使った排卵は自然排卵と同様で、着床時期は排卵後7日目です。クロミッドを使えば排卵日が把握できるので、7日経ったらできるだけ体を冷やさないように心がけましょう。
不妊の理由は一つではない…気を付けたい不妊リスク
ただし、排卵が復活しても別の要因で不妊の原因が隠れていることがあります。
たとえば卵管が詰まっていたらせっかくの卵子も精子と出会うことができません。
男性側の精子に問題があれば妊娠しづらくなります。
たとえ着床できても、高プロラクチン血症という病気や甲状腺に問題があるときは母胎が原因で流産を起こすこともあります。
卵管の詰まりなら病院の検査で見つけやすく、日帰り手術で改善できる病院もあります。
しかし検査項目は限られ、中には検査では見つけにくい原因もあります。たとえば遺伝子の問題で不妊体質というケースもありますが、遺伝子検査は10万円以上することも珍しくありません。
クロミッドで排卵できても、必ずしも妊娠が成立するとは限りません。排卵は妊娠の第一歩ですが、必ずしも妊娠に結びつくわけではありません。この点は心に留めて下さい。
クロミッドで確実な排卵を促し、妊娠を成功させる!
もしあなたに軽い排卵障害があり、クロミッドで排卵が復活したら妊娠率は上がります。タイミング法で妊娠する確率もグッと上がります。
クロミッドの成功率は20%ほどですが、服用を続けると徐々に子宮内膜が薄くなり、子宮頸管粘液が減っていきます。
そのため3周期~6周期ほどでクロミッドの服用は中止して、他の方法で排卵を促すのが普通です。
せっかく排卵が復活したのに!とがっかりするかもしれませんが心配はご無用です。最近はアロマターゼ阻害薬(レトロゾール・フェマーラなど)など他の薬で排卵を促す治療が浸透しています。
レトロゾールは子宮内膜を薄くする作用がなく排卵も促せると医師の間で評判の高い薬です。
しかし乳がん治療薬のせいか副作用が強く、気分の落ち込みや吐き気などに悩まされることもあります。
薬価もクロミッドに比べるとはるかに高く、不妊治療で使う際は実費になります。 そのため、排卵誘発のファーストチョイスは今でもクロミッドが主流です。
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クロミッドを使っても妊娠率は20代、30代、40代と年齢によって変わります
クロミッドで排卵を促し、タイミング療法を行えば妊娠率が上がります。
しかし妊娠率は女性側の年齢で大きく異なります。 個人差はありますが、人間の女性でもっとも妊娠しやすいのは28歳と言われています。この時期でも自然妊娠率は20%ほどです。
20代に比べて30代は妊娠率が下がってしまいます。特に35歳以上になると大きく妊娠率が下がり、40代になるとさらに下がります。
そして更年期になり、妊娠することができなくなります。
クロミッドを使っても出来ることは卵胞を育て排卵を促すことだけです。
卵子が若返ることはありませんし、妊娠率を年齢相応以上に上げることはできません。魔法の薬ではないので、過度な期待は持つのは危険です。
しかし「命を脅かすような大きな副作用がなく」排卵を促せるクロミッドの作用は画期的です。排卵しなければ妊娠は望めません。
クロミッドは一里塚。3回~6回ほどで次のステップに進みます
クロミッドの妊娠成功率は1周期で20%ほどと言われています。それなら何回目で妊娠が成立するでしょうか。 計算上5回チャレンジすれば100%になるし、確実に妊娠できるのでは?と期待すると思います。
しかし残念ながらクロミッドはあまり長期間使う薬ではありません。 多くの病院ではクロミッドを3周期~6周期ほど服用して妊娠しなければ他の方法を検討します。
何故ならクロミッドの子宮内膜を薄くする作用や子宮頸管粘液を減らす作用は妊娠体質から遠ざけてしまうからです。
すべての方に出る症状ではないですが、子宮内膜はクロミッドを辞めてもすぐに復活しないことがあります。
理由はよく分かっていませんが、クロミッドを服用した周期の生理で子宮内膜の根まで流れてしまい、次の周期で育ちにくくなるからという説があります。
山の木々を無秩序に伐採したら保水力を失い、大雨が降るたびに土砂崩れを起こしてしまいます。これと同じことが子宮内でも起こると考えると分かりやすいでしょうか。
そうなる前に服用を止めるのは妥当と言えます。 妊娠の確率を上げるためにも、クロミッドに依存するのは止めましょう。
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多嚢胞性卵巣の方はクロミッドでも妊娠率は少し下がります
排卵障害は様々な原因がありますが、特に多い原因は多嚢胞性卵巣(PCOS)です。
卵巣の中の男性ホルモンが多すぎるのが原因で、卵胞の数が増えすぎて育ちにくくなる症状です。
現在の医学では根治はできませんが、原因が判明しつつあるので対処療法で排卵を促すことができるようになりました。
クロミッドを使っても、多嚢胞性卵巣の方は妊娠率が少し下がります。多嚢胞性卵巣の方はかなり強めに排卵を促さないと排卵できないこともあり、クロミッドでは力不足になることも珍しくありません。
しかし注射で強い排卵を促せば良いものではありません。多嚢胞性卵巣の方が強い排卵刺激を行うと卵巣が腫れ上がり、激しい腹痛に襲われるリスクがあるからです。命の危険もあるので絶対に避けなければいけません。
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クロミッドでも排卵できない?!PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは
クロミッドでは妊娠奇形を起こす作用はありません。その理由は?
クロミッドを使って妊娠すると赤ちゃんが奇形を起こすのでは・・・という心配があるかもしれませんが、それはまずありえません。
クロミッドは自分自身が出すホルモンで卵胞を育てることを促す薬です。卵子が奇形になるようなリスクはありません。奇形は自然妊娠と同じ確率で起こると考えられます。
ただ気になる統計もあります。クロミッドで妊娠すると流産率は自然妊娠率に比べてわずかに多いという結果が出ています。
原因は不明ですが、これは不妊治療を行う年齢が高いせいではないかと考える医師もいます。高齢になればそれだけで流産率は上がりますが、これは自然妊娠でも同様です。
よく聞く「着床出血」はクロミッドを使っても起こるの?
よく「着床したら不正出血があった」という話があります。
着床するときに成長して孵化した受精卵が子宮内膜に食い込み、根を張るので、この衝撃で出血することはあります。
しかし全員に起こるわけではなく、出血がなくても妊娠するほうがずっと多いのです。 もちろんクロミッドを使うからといって、着床出血の確率が上がることはありません。
そして不正出血が着床のサインとは限りません。現代の医療では妊娠判定日が来るまでは妊娠を確認することはできないので、その日が来るまでマイペースに待ちましょう。