- 妊活中に辞めておきたい二大悪習慣タバコと酒・・・なぜ妊娠に良くないの?
- クロミッドを服用中にお酒は悪影響が出る?飲み会は参加できる?
- ビールはOK?焼酎や日本酒は?クロミッドとお酒の飲み合わせは?
- たしなむ程度なら大丈夫と言われますが、妊娠したら飲酒は絶対に止めましょう!
- 喫煙は百害あって一利なし!クロミッド服用中は禁煙しましょう。
妊活中に辞めておきたい二大悪習慣タバコと酒・・・なぜ妊娠に良くないの?
クロミッドを服用してもしなくても妊活中のタバコは厳禁です。
まだアルコールは譲歩の余地がありますがタバコは妊娠を大きく妨げます。喫煙は今日からでも止めましょう。
なぜタバコは妊活に良くないのでしょうか。
タバコを悪しざまに迫害するのは問題だけど…
今では信じられない話ですが、ほんの10年ほど前までは街角のあちこちや職場などでタバコを吸われていました。
厚労省や企業、地方自治体の努力の甲斐もあり近年ではタバコを公然と吸える場所はどんどん減っています。
2017年には飲食店での喫煙は一定条件を満たさない場合は違反になりました。
喫煙には長い文化があり煙草にも様々な種類があります。心を落ち着け思考力を高める効果もあります。しかも高い課税が掛けられているので喫煙者は税金をたくさん納めてくれます。
「タバコは百害あって一利なし」と悪し様にはやし立てる風潮は極端と言わざるを得ませんし嗜好品としてはこれからも残していくべきものでしょう。
タバコは赤ちゃんを危険に晒す
しかし健康面という点では百害あって一利なしと言っても差し支えないほど悪影響が強いのも事実。
タバコには深いリラックス効果があり頭の暴走を抑えてくれる作用はありますが、健康面での利点はこれくらいしかありません。
特に妊娠中、妊活中の女性には悪い影響しかありません。1997年にブラジルで誕生した赤ちゃん5,166人を対象にした調査では深刻な結果が出ました。
喫煙習慣がある、または受動喫煙する環境にあるお母さんのもとに授かった赤ちゃんは、喫煙環境のないお母さんの赤ちゃんより以下の症状が出たのです。
・流産率2倍
・早産率1.5倍
・子宮内発育延延(成長が遅く体重が軽い新生児になる)の確率が2.07倍
・平均142g軽い
赤ちゃんの低体重は深刻な生活習慣病を引き起こすリスクを高めます。
糖尿病などのリスクが何倍にもなり無事に生まれても健康的な生活が送れなくなります。
さらに喫煙のある環境はSIDS(乳幼児突然死症候群)という痛ましい事故リスクが10倍にも跳ね上がると言われています。
文字通り、ある日突然赤ちゃんの息が止まって亡くなってしまう症状です。
必死に妊活してようやく授かった赤ちゃんと突然の別れというのは人生そのものが狂うほど大きな衝撃を受けます。
こんな悲劇を生まないためにも自分はもちろん、夫や同居者の喫煙は絶対に止めましょう。
ニコチン依存症、血管収縮・・・タバコが健康を害する理由
煙草はナス科植物のタバコの葉が原料です。南アメリカの熱帯地方の植物でなんと紀元前5,000年ごろからアンデス地方で栽培されていました。嗜好品の作物では最も古い歴史があります。
この魅力の根元は何でしょうか。
タバコにはニコチンという成分が大量に含まれています。ニコチンはアルカロイドという植物が生み出す毒で、熱帯地方の過酷な生存競争を生き抜くためにタバコが身につけた武器です。
タバコの葉は広く大きく薄いのが特徴で、このままでは虫や哺乳類などの恰好の餌食になってしまうからです。
ニコチンは神経を刺激する作用があり、βーエンドルフィンという脳の神経伝達を助ける物質の生成を促します。
βーエンドルフィンが活性化すると不安や焦燥感を和らげ、心が落ち着きます。
しかし喫煙でニコチンを摂取しても30分ほどで脳内のβーエンドルフィン濃度が急速に下がります。
すると「もっと吸いたい」と強くタバコを求めるようになります。その結果、タバコはニコチン依存症を引き起こしやすいのです。
ニコチン依存症はカフェイン依存症より悪化しやすく、自力で改善するには強い精神力が必要です。
禁煙外来などでニコチンパッチなどを利用しながら徐々に中毒を弱めていく治療をすると禁煙しやすくなりますが自由診療になるので数万円ほど必要です。
さらにニコチンには血管を縮めて血流を悪くする作用もあると言われています。
血流の悪化は子宮や卵巣に流れる血流まで減らしてしまい、卵子の成長や子宮内膜の成長を大きく損ねます。
せっかくクロミッドを服用しても喫煙を続けると卵子の成長が悪くなり、ますます排卵しにくくなりかねません。この点だけでも禁煙する理由になるでしょう。
紙巻きタバコはニコチン以外にも毒がいっぱい
タバコにはいろんな種類があります。タバコ葉をぜいたくに巻いた葉巻(シガー)、キセルやパイプに入れて吸う刻みタバコ、噛みタバコなど多種多様です。
一般的に流通しているのは紙巻きタバコ(シガレット)ですが、大多数のシガレットの内容物はタバコ葉だけではありません。
複数の化学香料や香辛料、ハーブなど様々なものがブレンドされています。これらも体に悪影響を与えると言われています。
公害病を引き起こした歴史があるカドミウム、溶剤にも使われるトルエンやアセトン、殺虫剤にも使われる砒素、排気ガスに含まれる一酸化炭素なども含まれています。
もちろんごくわずかな量しか含まれていませんが妊活中には避けたいものばかりですね。
煙草は日本でも500年近い伝統があり、文化としては尊重すべきでしょう。周囲に悪影響を与えない限り吸うのは自由です。
しかし妊活中というのは赤ちゃんという別の人間を育てるための活動です。血流を悪化させて妊娠から遠ざける喫煙は厳に慎みましょう。
クロミッド+喫煙で血栓症のリスクが跳ね上がる!?
クロミッドの副作用の一つに「血栓症の誘発リスクの上昇」があります。クロミッドを服用すると血管が縮み血液がドロドロになりやすく血栓を起こしやすくなると言われています。
さらに喫煙も血栓症を引き起こしやすくなります。どちらか一方だけなら問題なくても二つのリスクが合わさって血栓症が出るリスクが跳ね上がります。
血流の悪化はそれだけでも卵子の成長を邪魔します。さらに脳や動脈で血栓症を起こすと血管が破裂し命に関わります。
自身の喫煙はもちろん、家族の喫煙も慎みましょう。換気扇の前やベランダで吸ってもらっても完全に副流煙を追い出すことは難しいと言われています。さらに男性も喫煙の影響で血流が悪くなると精子の異常率が上がります。出来る限り夫婦で禁煙を目指しましょう。
クロミッド服用中のお酒はOK?肝臓の負担を考えた上で判断しましょう。
喫煙に比べて飲酒はまだ幾らか共存の余地はあります。「酒は百薬の長」という言葉もあるとおり酒に含まれるアルコールはリラックス作用があり、血流を上げて判断力が低下します。
百薬の長にするためには「自分に合った量を越えないこと」が絶対条件です。
しかもクロミッドを服用中なら「肝臓の負担」を考えないといけません。
お酒も薬も「肝臓で分解(代謝)されて」初めて作用します。重度の肝臓疾患のある方は薬が飲めないことが多いですが、それは肝臓が活動しないと酒として作用しないからです。
さらに困ったことに肝臓は沈黙の臓器と言われ、疲れていても悲鳴を上げていても気づきにくい臓器です。
やたらと疲れやすいなど自覚症状が全くないわけではありませんが、見逃されることが大半です。
クロミッドを服用する期間は5日~10日ほど。肝臓を労るためにも出来ればこの間だけでも極力飲酒は控えましょう。
クロミッドを服用中にお酒は悪影響が出る?飲み会は参加できる?
とは言えクロミッドを飲んでいるからと言って絶対に飲酒がダメ!というわけではありません。
肝臓の強さや健康に自信があるならクロミッド服用中でも飲み会に参加することはできます。
クロミッドを飲みながらのお酒の影響で気をつけたい点は
・飲酒
・飲食は普段より控えめにする
・普段より冷え取り予防を徹底する
の2つ。何故この2つを心がけないといけないのでしょうか。
普段より酒の量を減らすのは肝臓の負担を減らす為です。
さらに肝臓は食べ物の代謝も行います。余計な栄養分をグリコーゲンという形に変えて肝臓に貯めたり、食べ物に含まれる毒の解毒など忙しく働きます。
酒が飲めないなら食べてやる!とヤケ喰いしたい気持ちは分かりますが、食べ過ぎも肝臓に負担をかけるので腹八分目を心がけましょう。
適量のお酒は血流が増え、子宮や卵巣への血流も一時的に改善します。
しかし広がった血管から熱がどんどん奪われるのでやがて体が冷えてしまいます。お酒を飲んで厚いからと薄着になるのは仕方ないですが、足首や手首、首はレッグウォーマーやストールなどでガードして保温しましょう。
クロミッドを飲んでいなくてもお酒の後は冷えやすいので保温の習慣を付けておくと安心です。下半身を保温するズボンで行きましょう。
ビールはOK?焼酎や日本酒は?クロミッドとお酒の飲み合わせは?
クロミッドを飲んでいる間のお酒の組み合わせはただ一つ、「アルコール濃度をできるだけ下げること」です。
焼酎を飲むならロックでなく水割りやお湯割り、アルコール濃度が若干高めな日本酒よりも低いビールを選ぶなど、できるだけアルコールが薄い酒を選びましょう。
アルコール濃度が高いお酒が飲みたいなら1杯だけで止めて、あとはノンアルコール飲料で体内のアルコール濃度を薄めましょう。
最近はストロングスタイルと銘打ったアルコール濃度の高いビールが流行っています。ビールだからいいよね、とストロングビールばかり飲んでいたら肝臓の負荷が増えるだけです。
クロミッドを飲んでいる間はお酒に強い方でも乾杯の1杯で終えてあとはノンアルコール飲料にするのがオススメです。
お酒は冷たいものが多いですが、アルコールの作用+冷たさのダブルの効果で体を冷やしてしまいます。
からだが冷えると卵巣へ流れる血流も減ってしまい、元気な卵が育ちにくくなります。
気休め程度ですが熱燗など暖かいものを飲んだり食事は鍋ものにするなどして暖めることを重要視しましょう。以外と夏も冷えやすいので冷え対策は万全にします。
たしなむ程度なら大丈夫と言われますが、妊娠したら飲酒は絶対に止めましょう!
クロミッドを飲んでいる間だけなら、普段より少量に留めるならお酒も大丈夫でしょう。
ただし飲酒が許される期間は「妊娠前」までです。
クロミッドを飲んでも飲まなくても妊娠中の飲酒は絶対に止めましょう。なぜ妊娠中の飲酒は良くないのでしょうか。
胎盤を通して赤ちゃんにアルコールが伝わる!
子宮に受精卵が着床して成長すると、赤ちゃんは胎盤を通してお母さんから栄養をもらいます。胎盤やへその緒は栄養だけ通して毒は通さない仕組みがあります。
しかしすべての毒がシャットアウトできるわけではなく、一部の毒は通してしまいます。その一つがアルコールです。
妊娠中に飲酒をすると、たとえ少量でも胎盤を通して赤ちゃんに伝わり、脳の生育を妨げる可能性があります。
元気な体は何より大事なものです。赤ちゃんの未来のためにも妊娠が分かった時点で飲酒はきっぱり止めましょう。
最近はノンアルコール飲料の味も良くなりました。うまく誤魔化しながら乗り越えていける環境は整いつつあります。
喫煙は百害あって一利なし!クロミッド服用中は禁煙しましょう。
クロミッド服用中の喫煙は絶対に止めましょう。
最初に長々と説明したとおり喫煙は妊娠を妨げ、赤ちゃんの命を奪う可能性があります。
たとえ命は無事でも健康を損ねてしまいます。せっかく空気のきれいな田舎で育ったのに父がヘビースモーカーだったせいで喘息持ちという方もいます。子供の将来を邪魔することは慎むべきでしょう。
せっかくクロミッドを服用しているなら、卵子を育てるための環境を整えましょう。
適度な運動やバランスの良い食生活、冷え取りなど様々な改善点がありますが禁煙はその第一歩です。
残念ですが喫煙と妊活は水と油で、お酒のように共存することはできません。
ぜひ喫煙にかけるお金を禁煙外来や妊活に回して、より健康的な生活を目指しましょう。