うさこの妊活ノート

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クロミッドでも排卵できない?!PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは

クロミッドでも排卵できない?!PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは

 クロミッドが効きにくい?多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

 

排卵しにくくなる(または排卵できなくなる)原因は数多くあり、生活習慣も大きく作用します。

長期間にわたる過剰なストレス、飢餓状態を引き起こす過度な食事制限ダイエットや医学的な肥満は排卵に大きく影響します。

 

体質が原因の排卵障害もあります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)という症状になりやすい体質の方は排卵障害を起こしやすくクロミッドを服用しても排卵しないことがあります。

多嚢胞性卵巣症候群だとクロミッドは効かないの?と不安になる方もいると思いますが症状が軽度ならクロミッドで排卵できるケースが多く見られます(50~60%ほど)。だからまずはクロミッドで排卵を促します。排卵しない時は別の方法をチャレンジします。

 

卵巣の中には一生分の卵子の元が眠っています。女性の卵子は胎児のころに一生分作られます。この在庫は減ることはあっても増えることはありません。

卵子の元は月経があるたびに一定数が目覚め、6ヶ月かけて卵子に成長します。一人前の卵子になれる細胞は通常たった1つで残りは途中で成長を止めて脱落します。

一般的には生涯に400~500の卵子が成長し月経周期に平均1つの卵子が放出されます。

 

PCOSの原因は男性ホルモン!?

 

この卵子の元を目覚めさせるのは男性ホルモンの役目です。実は女性の体にも男性ホルモンが少しだけ存在します。しかしバランスは個人差があり体内に男性ホルモンが多すぎる女性もいます。

体内の男性ホルモンが多すぎると過剰に多くの卵子の元を目覚めさせてしまいます。あまりにも多くの卵子の元が成長を始めると共倒れになってしまい卵子まで育つことが難しくなります。

 

卵巣の中は「あまりにも応募が多すぎて審査に間に合わず破綻したコンテスト」のような状態になります。超音波で卵巣を観察すると10mmほどの卵胞がネックレスのように円形になって卵巣の外側に並んでいるのが見えます。

PCOSは内診と血液検査ですぐに判定できます。特に若い女性の排卵障害の主な原因と言われ、男性らしい風貌の女性(にきびが多い、ひげが生える、毛深いなど)や月経周期が長い(35日以上)、安定していた月経周期がどんどん乱れている、糖尿病のリスクがある、医学的に肥満(BMI30以上は危険サインです)の方に多い傾向があります。

 

ふくよかな体型だからPCOSになるわけではありませんが、もしPCOSと診断が下った場合は標準体重までダイエットしましょう。PCOSは体質なので完治は難しいかもしれませんが肥満が原因の場合は自助努力である程度まで改善することもできます。

 

肥満が原因のPCOSはダイエットも有効

 

ダイエットは王道の「運動+バランスの良い食生活」一択です。時間はかかりますが適正体リバウンドしにくく生活改善になります。

始めは大変かもしれませんがステッパー(室内歩行器)など室内運動や食事の見直しなどで徐々に改善することができます。

 

食べ物への執着がなぜ強いのかを自問自答することもダイエットにつながります。焦らなくて良いので時間をかけて排卵障害改善の治療をしながらBMI25前後を目指しましょう。

なぜダイエットがPCOS改善に役立つのかは後述します。

 

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は排卵障害が原因なので少し妊娠率が低下します

 

多嚢胞性卵巣症候群があるとクロミッドを使っても妊娠率は若干下がります。

 

クロミッドは脳の視床下部を(エストロゲンが足りない?!)と騙して多くのエストロゲンを出すように促す薬です。

軽度のPCOSなら卵巣の中の「卵子コンテスト」が混乱しても審査員(エストロゲン)が追加されることで無事に審査が完了できることがあります。エストロゲンの人海戦術で無事に卵胞が成長し、排卵を促せる可能性が上がります。

 

通常の女性は80%ほどですがPCOSの方でも50~60%はクロミッドで排卵を促すことができます。

しかしすべてのPCOSの方に効果があるとは限らず、重度だとエストロゲンの人海戦術でも為すすべがないこともあります。そのためPCOSでない女性に較べるとクロミッドの効果は若干下がります。

 

たとえクロミッドでも排卵が促されなくても他にも手段はたくさんあります。どうかガッカリせずに前向きに治療を続け、自助努力を欠かさないで頂きたいと思います。

 

PCOSではクロミッドは多めに処方される傾向が

 

多嚢胞性卵巣症候群の方はクロミッドの効果が薄くなりがちです。卵巣の中の卵胞が多すぎるのでより多くのエストロゲンが必用になるからです。

多嚢胞性卵巣症候群の方はクロミッドを多めに処方されます。一般的にはクロミッド1錠の病院でも多嚢胞性卵巣の方はクロミッド2錠から始めることが一般的です。

 

たしかにPCOSは卵胞が育ちにくい症状です。しかし優先すべきことは「PCOSを治す」ことよりも「排卵できること」です。PCOSの方は糖尿病リスクが他の方よりも高いので日常生活全般を見直し改善する必用がありますが、それは生涯にかけて続けるものです。

 

糖尿病は失明や手足の切断など非常に危険な病気を引き起こす元凶になりかねません。そんなことが起こる前にリスクが発覚したのは幸運なことでもあります。

クロミッドは排卵障害を改善する対処療法でPCOSを根治するわけではありません。しかし排卵を促す可能性が上がる治療法です。

 

▼もっと詳しく知りたいときはこちらの記事をクリック▼ 

 いきなりクロミッド2錠から始まるのは何故?排卵しない時はどうするの?

 

クロミッドの副作用はPCOSでない方に比べて若干リスクが高め

 

多嚢胞性卵巣症候群の方はクロミッドの副作用リスクが若干上がります。これはクロミッドの服用量が多いことと「卵巣の中の卵子予備軍が多すぎる」ことが原因です。

 

クロミッドでもっとも気をつけないといけない副作用は卵巣刺激症候群(OHSS)です。クロミッドは穏やかな作用の薬なのでOHSSになる確率は非常に低いですがゼロではありません。PCOSの方はOHSSリスクが高いので注意が必要です。

 

他の症状・・・頭痛や吐き気、だるさなどは同じ量服用した方とほとんど同じです。多胎リスクはPCOSがない女性と同じ5%ほどです。

 

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クロミッドの副作用【5つのパターン別まとめ】この症状は副作用?

 

激しい腹痛、命の危機も?!卵巣刺激症候群(OHSS)とは

 

OHSSは卵巣が激しく刺激されることで起こる症状で卵巣が腫れ上がり周囲に腹水が溜まります。

ふつうに生活しても排卵期や妊娠初期にはごく軽微な卵巣の腫れや腹水が溜まることはあります。しかし薬などで排卵を促すとE2(エストラジオール)という女性ホルモンが異常に増えることで重症化しやすくなります。

 

腹水が溜まると血の濃度が濃くなり血栓症を引き起こすことがあります。腹水が溜まることで激しい腹痛も起こります。

絶対的な対処法はなく重症化すると入院する必用があります。病院から緊急連絡先の書類をもらうはずなので激しい腹痛があったときはすぐに連絡しましょう。携帯電話に登録し、家族全員が見えやすい場所に連絡先を貼っておくと安心です。

 

OHSSの自覚症状と兆候は?いつまで続くの?

 

吐き気や喉の異常な渇き、胃痛、腹痛、手足の痺れ、呼吸困難などが主な自覚症状です。体重が1日1キロ以上増える、尿の量が減る(1日500ml以下)場合はすぐに病院に連絡しましょう。

 

軽度の場合は安静にして様子を見ます。あまり水分を摂らないようにして腹水が血液に戻るのを待ちましょう。軽度なら安静にすれば徐々に改善し月経とともに回復します。

妊娠しても数週間ほどでゆっくり改善していくので無理せず安静にして暮らしましょう。家事は家事代行サービスを利用するのもひとつの手段です。

 

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 クロミッドで腹痛が起きたらOHSSかも?下腹部痛やお腹の張りは卵巣腫れの可能性も 

妊娠を諦めるのはまだ早い!PCOSでもクロミッド以外で排卵する方法

 

多嚢胞性卵巣症候群の方は排卵しにくくクロミッドでも効果がないことがあります。しかし排卵誘発の方法は増えています。クロミッド+αの治療や外科手術などで効果が出ることがあるので前向きに治療していきましょう。

 

・クロミッド+メトホルミン

メトホルミンは糖尿病治療薬として永らく使用されている薬です。血糖値を下げるインスリンが体に作用しやすくする働きがあり、少ないインスリンでも血糖値が下がる働きがあります。

インスリンの効きが良くなると卵巣に溜まっている過剰な男性ホルモンが減り卵子予備軍が適量に下がることがあります。

これで効果がないときはステロイドホルモン薬を追加することもあります。

 

・HMG注射

クロミッドよりもはるかに強い排卵誘発法です。重度の排卵障害が改善する確率が上がりますがOHSSを引き起こしやすく副作用に注意しながら行います。

 

・外科手術

お腹にいくつか穴を開け腹腔鏡で卵巣にたくさん小さな穴を開ける手術です。物理的に卵巣の面積を減らすことで卵子予備軍を減らし適正な量の予備軍を目覚めさせる効果があります。

非常に高い効果が期待できますが1~3年ほどで元に戻ってしまいます。

 

・適度なダイエット

PCOSは肥満が原因で悪化します。適正体重までダイエットすれば症状が軽くなり排卵が復活することもあります。

適性体重になるとメトホルミンを服用したときと同じ状態になります。適正体重になるとインスリンの効きが改善して卵巣の中にある過剰な男性ホルモンが減少するからです。

 

ダイエットといっても一時的な制限食は絶対に止めましょう。ぜひ糖尿病患者向けのレシピや生活習慣を参考にして下さい。近年はより無理無く手軽に取り組める方法が公開されています。

運動+適度な食事制限のダイエットは苦行ではありません。始めは大変かもしれませんが習慣化するとむしろ楽しくなり達成感があります。くれぐれも減量を目的にせず適正体重になったらダイエットを止めましょう。

 

PCOSが原因の排卵障害はこれらの方法で多くの方が改善します。PCOSは排卵障害の症状の中では治療が見込めるので無理のない範囲で治療していきましょう。